電子回路
増幅器(2)
エミッタ接地増幅器
コレクタ抵抗とは、なんでしょうか? 一般的なバイポーラトランジスタのコレクタエミッタ間電圧とコレクタ電流の関係はこのページのアーリー電圧で説明したようになります。アーリー電圧VAとトランジスタの動作点から求めたコレクタ抵抗Rcとgm、それと負荷抵抗RLから増幅器の電圧利得を計算することが可能です。
たとえば、VA=80V , Vce=2V, Ic=1mA、RL=1kΩとすると、バイポーラトランジスタを使った増幅器の利得は、gm=38.7mS RL'≒990Ω から Av=38.2 倍 = 31.6dB
となります。
増幅器の設計
前のページで説明しているような回路の場合、電源電圧は数V程度でしょう。このときの負荷抵抗RLとトランジスタのコレクタ抵抗Rcには、通常、Rc>>RLの関係があります。
そこで、RL'をRLと置き換えると、式の分子はIc*RLとなります。
負荷抵抗での電圧降下はIC*RLですから、この増幅器の電圧増幅度Avは、負荷抵抗での電圧降下とVTの比になることがわかります。このことから、電源電圧が決まると抵抗負荷の増幅器では、できうる利得が決まってしまいます。
このホームページでは、バイポーラトランジスタを主に説明していますが、他の素子でも相互コンダクタンス、負荷抵抗を考えて設計すれば同様に扱うことが出来ます。バイポーラトランジスタは物理的な式に良く載るので説明に都合がよいのです。